応当日・満了日の計算 — 「◯か月後」「◯年後」はいつか
契約日から「3か月」「1年」と定められた期間の満了日を、民法143条の規則で求めます。1月31日の1か月後のように応当する日が暦に無い月は、翌月へ繰り上げずにその月の末日へ置きます。毎月の支払日・毎年の更新日を先まで並べる向きもあります。
使い方
「期間の満了日」は、契約日や書類を受け取った日から「3か月」「1年」と定められた期間が、いつ終わるのかを出します。民法143条の規則どおりに、起算日に応当する日を求めてからその前日へ戻します。応当する日が暦に無い月では、同じ条文のただし書に従ってその月の末日を満了日にします。
「応当日の並び」は、毎月の支払日や毎年の更新日を先まで並べます。回数と間隔を変えれば、2か月ごと・3年ごとのような刻みにもできます。
どちらの向きでも、素朴に月を足しただけの日付と答えが食い違う回は印を付けて並べます。自分の手元の表計算や予定表と突き合わせるときは、そこだけ見れば済みます。
1月31日の1か月後は3月3日ではない
月の単位で日付を足すとき、暦に無い日が必ず出てきます。1月31日の1か月後は「2月31日」ですが、2月に31日はありません。
JavaScriptの日付機能も、表計算で月の数値をそのまま足す書き方も、この日を翌月へ繰り上げます。2026年なら2月は28日までなので、2月31日は3月3日になります。うるう年の2024年では2月が29日まであるので、同じ計算が3月2日を返します。同じ「1月31日の1か月後」が、年によって違う日になるのです。
民法143条2項のただし書は、この場合を「最後の月に応当する日がないとき」として、その月の末日に満了すると定めています。2026年なら2月28日、2024年なら2月29日です。翌月へ繰り上がることはありません。
応当日と満了日は1日違う
この2つはよく混同されますが、別の日です。条文は「その起算日に応当する日の前日に満了する」と書いています。
9月13日に契約して期間が1か月なら、初日不算入(民法140条)で起算日は9月14日、応当日は10月14日、満了日はその前日の10月13日です。感覚どおり「1か月後の同じ日」で終わりますが、途中に出てくる10月14日は満了日ではありません。保険や融資の書類に出てくる「応当日」は、この途中の日を指していることが多いので、そのまま期限として使うと1日ずれます。
ただし書で決まる回だけは、前日へ戻しません。「その月の末日に満了する」と書いてあるからです。1月30日に契約して1か月なら、起算日は1月31日、2月に31日は無いので、満了日は2月の末日そのものになります。
末日が休みのとき
民法142条は、期間の末日が日曜・祝日その他の休日で、その日に取引をしない慣習があるときは、翌日に満了すると定めています。条文が書いているのは「翌日」までで、翌日も休みだったときにどこまで送るかは書かれていません。この道具は実務どおり、休みでない日が来るまで送ります。
2026年4月2日に契約して1か月なら、満了日は5月2日の土曜日です。そこから5月3日(憲法記念日・日曜)・5月4日(みどりの日)・5月5日(こどもの日)・5月6日(振替休日)と休みが続くので、送り先は5月7日で、5日ぶん動きます。振替休日が翌日とは限らない理由は振替休日と「国民の休日」は別物に書きました。
注意点
- 契約書や要項に別の定めがあれば、そちらが優先します。民法138条は「法律行為に別段の定めがある場合」を除くと書いています。「翌月同日」「毎月末日」と決めてあるなら、そのとおりに数えてください。
- 応当日の並びは毎回ぶん基準日から数え直します。1月31日を基準にすると2月28日・3月31日・4月30日となり、2月で詰めた日を後ろへ引きずりません。前の回の日付から1か月ずつ足す数え方だと、2月以降が全部28日へずれます。どちらを採るかは契約の定め方によります。
- 祝日の判定は1980年から2099年までです。春分の日と秋分の日は前年2月の官報で正式に決まるので、遠い将来の日付は参考値としてください。
- 国税の手続きは国税通則法10条が期間の計算を定めていますが、初日不算入も応当日の前日も、応当する日が無い月の末日も、民法と同じ言葉で書かれています。違うのは期限が休日に当たったときで、民法142条が「その日に取引をしない慣習がある場合に限り」と条件を付けているのに対し、国税通則法10条2項は条件なしで翌日を期限とみなします。ほかの手続きにも固有の定めがあり得ますから、最終的な判断はその手続を所管する一次情報に従ってください。