六曜はどう決まるのか — 旧暦の月日を足して6で割るだけ
大安や仏滅は、暦の専門家が年ごとに決めているように見えます。実際は違います。六曜は旧暦の月と日を足して6で割った余りだけで決まる、割り算の結果です。誰が計算しても同じ答えになり、天体の位置も、その人の生年月日も関係しません。
式はこれだけ
(旧暦の月 + 旧暦の日) ÷ 6 の余り
余りと六曜の対応は次のとおりです。
| 余り | 六曜 |
|---|---|
| 0 | 大安 |
| 1 | 赤口 |
| 2 | 先勝 |
| 3 | 友引 |
| 4 | 先負 |
| 5 | 仏滅 |
2026年9月2日で試します。この日は旧暦の7月21日です。7 + 21 = 28、28 ÷ 6 = 4 余り 4。表を引くと先負です。今日の暦でこの日を開くと、同じ答えが出ます。
旧暦の1日は、月ごとに六曜が決まっている
この式には副産物があります。旧暦の各月の1日は、月の番号だけで六曜が決まるのです。
| 旧暦の月 | 1日の六曜 |
|---|---|
| 1月・7月 | 先勝 |
| 2月・8月 | 友引 |
| 3月・9月 | 先負 |
| 4月・10月 | 仏滅 |
| 5月・11月 | 大安 |
| 6月・12月 | 赤口 |
旧暦の正月一日が必ず先勝になるのは、この規則の帰結です。2027年の旧正月は2月7日で、この日は先勝になります。
月替わりで六曜が飛ぶ理由
同じ月のあいだ、六曜は大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅の順に1日ずつ進みます。ところが月が替わる日には順番が飛びます。日の数字が29や30から1へ戻る一方で、月の数字は1つしか増えないからです。
飛び方は月の長さで変わります。旧暦の月は29日か30日しかありません。
- 29日で終わる月 — 六曜は3つ飛ぶ。2026年の旧暦7月は29日まででした。末日の9月10日は大安、翌9月11日は旧暦8月1日で友引です。赤口と先勝が抜けています
- 30日で終わる月 — 六曜は2つ飛ぶ。旧暦8月は30日まであり、末日の10月10日は先勝、翌10月11日は先負です。友引が抜けています
カレンダーで六曜の並びが急に乱れる日があれば、そこが旧暦の月替わり、つまり新月の日です。乱れではなく、月が改まった印です。
なぜ手元のカレンダーからは規則が読み取れないのか
式が単純なのに六曜が謎めいて見えるのは、難しいのが六曜ではなく旧暦のほうだからです。旧暦の月は新月の瞬間に改まるので、新暦の日付との対応は毎年ずれます。同じ「9月2日」でも、年が変われば旧暦の日付は別物です。式を知っていても、その日の旧暦の月日を知らなければ六曜は出せません。
道具棚の今日の暦は、この旧暦の部分を天文計算で先に求めてから式を当てています。表示している旧暦の月日を見れば、六曜が正しいかどうかを自分で検算できます。
「大安の土日」が少ない理由
日取りを決めるとき、実際に効くのは大安であることと休みの日であることの両方です。ところがこの2つは重なりにくくできています。六曜は6日周期、曜日は7日周期なので、組み合わせが一巡するには42日かかります。
しかも六曜は月替わりで飛びます。周期がそこで途切れるため、実際の並びは42日の規則正しい繰り返しにもなりません。2026年9月2日から先の大安を並べると、9月4日(金)、9月10日(木)、9月14日(月)、9月20日(日)です。土日に当たるのは4つ目でようやく1日だけでした。
このため「今日の暦」には、六曜のほうから日を探す欄を置いています。六曜を選ぶと表示中の日から先の候補が並び、土日・祝日だけに絞ることもできます。カレンダーを1日ずつ送って探す必要はありません。
官公庁の暦に六曜は載っていない
国立天文台が毎年2月に発表する暦要項には、国民の祝日・二十四節気・朔弦望・日食月食が載ります。六曜はありません。明治の改暦のあと、政府が出す暦から暦注が外れたまま今日に至っているためです。六曜が生き残ったのは民間の暦の側で、それが現在の市販カレンダーへ受け継がれています。
つまり六曜は、公的な根拠を持つ暦の要素ではなく、計算方法だけが受け継がれてきた習俗です。日取りの参考にする分にはよいものですが、そういう性質のものだと知っておくと扱いを誤りません。