ルビ記法の相互変換 — なろう・カクヨム・pixiv・青空文庫・HTML
小説のルビを投稿先ごとの書き方へ移します。なろう・カクヨムの半角縦棒と《》、青空文庫式の全角縦棒、pixiv小説の [[rb: ]]、HTMLのruby要素、括弧書きを相互に変換します。あわせて、本文に残った《 が投稿先でルビとして誤爆する箇所、同じ親文字で読みが揺れている箇所、ルビや親文字に記法の記号が入っていて出したい記法では書けない対を先に指摘します。
貼った原稿の書き方から当てます。うまく取れないときだけ手で選んでください。
ルビの一覧
同じ親文字に違う読みが振られている行と、出したい記法では書けない対に印が付きます。どちらも長編で残りやすい取りこぼしです。
原稿はこのページの中だけで処理します。どこにも送信しません。
使い方
原稿を貼って、出したい記法を選び、変換するを押すだけです。いまの記法は貼った文面から当てるので、ふつうは触らなくてかまいません。変換後の欄はそのままコピーできます。あわせて、その原稿に振られているルビの一覧と、投稿先で誤爆しそうな箇所が出ます。後者がこの道具の本体です。
ルビの書き方は投稿先ごとに違う
「漢字にかんじと振る」という同じ指示が、置く場所によって五通りに書き分けられています。
- 小説家になろう・カクヨム —
|漢字《かんじ》(縦棒は全角でも半角でもよい) - 青空文庫 —
|漢字《かんじ》(縦棒は全角) - pixiv小説 —
[[rb:漢字 > かんじ]] - HTML・EPUB —
<ruby>漢字<rt>かんじ</rt></ruby> - 紙の公募原稿 — 括弧書きの
漢字(かんじ)
一本の原稿を複数の場所へ出す書き手は、そのたびに全置換をかけています。
置換で済まないのは、どの記法にも黙って壊れる入口があるからです。この道具は文字を置き換えるのではなく、いったん親文字と読みの対に分解してから、出したい記法で組み直します。だから縦棒の有無や熟語ルビのような書き方の違いを吸収できます。
縦棒を省ける条件は、投稿先ごとに違う
縦棒は省けます。ただし省いてよい条件が投稿先で別々に決まっているので、片方の癖のまま反対側へ出すと壊れます。両方とも公式に書かれています。
- なろう — 親文字が漢字で、ルビがひらがなかカタカナのときに省けます。
魔法《magic》のようにルビがアルファベットの対は、縦棒を省くとルビになりません。 - 青空文庫 — 親文字が一つの文字種でできているときに省けます。ここでいう文字種は漢字・仮名・アルファベットの別で、規約の例は
〆切《しめきり》です。ルビの側は問いません。
この二つは重なりません。〆切 は青空文庫では縦棒なしで通りますが、なろうでは |〆切《しめきり》 と書く必要があります。逆に 魔法《magic》 は青空文庫では省けて、なろうでは省けません。この道具は出したい記法に合わせて条件を切り替えるので、省ける縦棒は省くに印を付けても出力ごとに結果が変わります。
省いた場合、親文字は《の直前から続く一続きになります。彼は本気《マジ》なら「は」で切れるので親文字は「本気」ですが、明日本気《マジ》と書くと親文字は「明日本気」です。画面には「あすほんき」の四字にマジと振られた形が出ます。読み取る側でも同じ規則で親文字を決めるので、五字以上を巻き込んだ対があれば警告に出します。元の原稿で縦棒を書き忘れている箇所は、たいていここに現れます。
変換より怖いのは誤爆
本文に 《 がそのまま残っている原稿を、なろうや青空文庫の記法で投稿すると、そこから次の 》 までがルビとして読まれます。ルビは小さな添え字なので、投稿した画面ではその範囲の本文が消えたように見えます。会話の引用に山括弧を使う書き方をしていると起こりがちです。
厄介なのは、変換自体は成功することです。手元の原稿では何も欠けていないので、投稿して読み返すまで気づけません。この道具は、地の文に残った 《 と縦棒、pixiv記法では [[rb: を数えて先に出します。数が0でなければ、投稿する前に直す場所があるという意味です。
逆に、カクヨムの傍点 《《強調》》 はルビではないので触りません。二重の山括弧を一つずつ外す置換をかけると傍点が壊れますが、ここでは対として拾わずそのまま通します。誤爆した 《 を数えるときも傍点のぶんは外すので、傍点を使っているだけで警告が出ることはありません。
なろうでは丸括弧もルビになる
もう一つ、置換では絶対に見つからない誤爆があります。なろうの公式ヘルプは、親文字が漢字でルビが仮名なら丸括弧の中に読みを書くだけでルビになると定めています。山田太郎(やまだたろう) がそのままルビとして表示される、という意味です。
これは投稿する側から見ると、本文に書いた括弧が勝手にルビへ変わるということです。紙の公募に出した原稿をそのままなろうへ回すと、東京(とうきょう) のような箇所が片端からルビになり、括弧の中身が本文から消えます。ルビにしたくないときの回避策も公式に書かれていて、括弧の直前に縦棒を入れるだけです。
この道具は、なろうへ出すときに化ける形の箇所を本文から抜き出して見せます。数だけでは長い原稿を目で探し直すことになるためです。丸括弧を縦棒で守るに印を付ければ、その箇所の直前にだけ縦棒を入れて出します。全部の括弧に入れるのではないので、ルビにするつもりで書いた括弧は残ります。詳しい条件は紙の原稿をなろうへ回すと括弧が消えるに書きました。
一つ断りがあります。この回避策そのものが崩れるという報告が、2016年に公式の質問板へ出ています。抑制の縦棒を同じ行に二つ置くと、前の縦棒が後ろの括弧と対にされる、という形です。運営は意図していない不具合だと回答していますが、いま直っているかどうかはこちらでは確かめられません。そこでこの道具は、縦棒が同じ行に二つ以上並んだときだけその旨を出します。その行は投稿前にプレビューで見てください。
なお、なろうのルビには親文字十文字・ルビ十文字という上限があります。超えた対はルビにならず、《》 が本文にそのまま出ます。長い当て字を振る書き方をしていると引っかかるので、これも数えて出します。
ルビの中に記号を入れられない場所があります
魔法名を二重山括弧で囲む、といった表記ルールで書いていると、読みの側に 《》 そのものを入れたくなります。ところが、なろう記法にその書き方はありません。重ねて書いてもルビにならなかった、という実測が公式の質問板に残っています。HTMLの実体参照も効きません。
公式ヘルプが使えない記号として挙げているのは & " < > の四つだけです。記法そのものを組み立てている 《》 については何も書かれていません。書かれていないだけで、書けるわけではない、という穴です。
そこでこの道具は、記号の禁止表を持ちません。出したい記法でその対を一組だけ書き、書いたものを自分で読み直して、同じ対に戻るかを見ます。戻らなければ、その記法ではその対を書けないと判断します。禁止表を写すやり方だと、公式が挙げていない記号を取りこぼすためです。
行き止まりなのは 《》 の記法だけです。pixiv小説とHTMLなら読みの側に山括弧が入るので、書ける記法が他にあるときはどれかを添えます。逆に、pixiv小説では読みに ]] が入ると対がそこで切れます。これも同じ検査が拾います。詳しくはなろうのルビに《》は入れられないに書きました。
数字で確かめる
HTMLの熟語ルビ <ruby>漢<rt>かん</rt>字<rt>じ</rt></ruby> は、見た目は「漢字」の二字にルビが乗った一つの塊ですが、対としては二組です。漢に「かん」、字に「じ」が別々に対応しており、縦組みで字ごとに読みを寄せるための書き方です。これをなろう記法へ移すと |漢《かん》|字《じ》 の二組になります。一組にまとめて |漢字《かんじ》 と書いても表示は似ますが、字ごとの対応は失われます。この道具は組数を保つほうを採り、変換後のルビ数として二と数えます。
注意点
- 括弧書きからは戻せません。
微笑(わら)うと東京(の街)を機械で見分けられないためです。括弧書きは出力専用にしてあります。なろうへ出すのなら括弧書きではなく《》の記法を選んでください。 - 青空文庫の原稿を貼るときは、縦線を一つも使っていない原稿だとなろうとして読まれることがあります。
[#…]の注記が本文に残っていれば青空文庫と判別しますが、注記の無い断片を貼る場合はいまの記法を手で選んでください。 - HTMLを読み込んだときは、ruby 以外のタグはそのままの文字として残します。段落や強調のタグが付いたまま貼ると、変換後にもそれが残ります。
- 親文字とルビが改行をまたぐ対は認めません。閉じ忘れた
《が原稿の残り全部を飲み込むほうが被害が大きいためです。 - ルビの付け方の作法そのもの、たとえば総ルビとパラルビの選び分けや、初出だけ振る書き方は、この道具では判断しません。
- 投稿先の仕様は変わります。長い原稿を投げる前に、冒頭の数行だけ実際の投稿画面で表示を確かめてください。